引っ越しまで、あと一週間。
段ボールは用意した。
持っていく荷物も山のように積んである。
だけど、次女は今日もゴロゴロと過ごしている。
「本当に引越しする気ある?」
「まさか、私に全部やらせるつもりじゃ、、、(笑)」
一体、何から手を付けるつもりなのか、
私にはさっぱりわからない。
部屋の中は、ぐちゃぐちゃのまま。
そして、私の心も何となくざわついて、
ぐちゃぐちゃしていた。
娘が家を出る。
もっと寂しくて、泣けたりするのかと思っていた。
もちろん、寂しくないわけがない。
寂しいかと聞かれれば、確かに寂しい…のだけど、
でも、今の私の中に、一番大きくあったのは、
寂しさよりも、
「やり切った」という大きな燃えつきたような感覚だった。
引っ越しの前なのに、寂しさがまだ来ない
ふとした瞬間に寂しさはジワリとやってくる。
「もうすぐ、部屋は空っぽになるんだな。」とさみしさジワリ。
「一人でちゃんと暮らせるかな。」と心配がジワリ。
そんな思いが胸の奥に浮かんでくる。
でもその気持ちは、すぐに日常の忙しさの中に紛れていく。
洗濯物。
ご飯の支度。
引っ越し準備。
まだ終わっていない手続き。
寂しさに浸る暇もないまま、
現実だけがどんどん進んでいく。
私はもっと泣くのだと思っていた。
もっと寂しくて、
何も手につかないものだと思っていた。
でも実際の私は、
寂しさよりも先に、
大きな疲れとやり切ったような安堵感の中にいた。
18年目のゴールが、すぐそこにある
子育てという18年。
そして、受験の1年。
本当に必死すぎる毎日だった。
気がつけば、いつも時間に追われていた。
体調を壊さないように。
ご飯を食べられるように。
眠れるように。
不安に飲み込まれないように。
受験の日まで走り続けて、
合格発表があって、
進学先を決めて、
家探しをして、
引っ越し準備が始まった。
やるべきことをやるだけで精一杯で
自分の気持ちをゆっくり感じる余裕なんてなかった。
それなのに、
すべてが終わろうとしているこのタイミングで、
私の心だけが取り残されているような気がした。
娘はもう前を見ている。
新しい生活に向かっている。
なのに、私だけがまだ受験の1年の続きをしているような、
母として、走る続けているような、
そんな不思議な感覚でいた。
合格して、手続きも済ませた。
住むところも決まって、
娘は新しい生活を楽しみにしている。
私の気持ちだけが少し置いてきぼりだった。
まだ何か忘れている気がする
まだ何か忘れ物があるような気がする。
でも、何を忘れているのかはわからない。
書類なのか。
手続きなのか。
それとも、娘に伝えきれていない言葉なのか。
ちゃんと終わっていない何かが、
どこかに残っているような気がして、
心が落ち着かない。
ほっとしているのか、
不安なのか、
寂しいのか、
自分でもよく分からなかった。
合格したら、
全部報われたような気がしていた。
でも、現実はそんなに単純なものではなかった。
合格した後も、
母の心はすぐには片付かない。
娘の荷物と同じように、
私の気持ちもまだあちこちに散らかったままだ。
のんびりする娘と、落ち着かない母
目の前では、娘がスマホ片手にゴロゴしている。
ゴロゴロというより、
もはやダラダラとも思える態度。
その姿に、私はちょっとだけ、、、
いや、かなりイラついていた。
ちょっとは片付けなよ!
そういいたくなるのを、何度も飲み込む。
ついこの間まで、
あんなに必死に頑張っていたのだから。
少しくらいのんびりしてもいい。
そう思う私もいる。
「のんびりしていいよ」
と言える、良いママでいたい私もいる。
でも、一方で、
私だけがまだ走り続けているような気がして、
少しだけ置いてかれたような気持ちにもなる。
娘はもう受験の先を見ている。
私はまだ、
受験を支え続けた母のまま、
その場に立ち尽くしている。
母の気持ちも少しずつ荷造りしている
私には、まだ中学生の息子がいる。
だから、子育ては、これからも続く。
まだ毎日のご飯もある。
反抗期もある。
野球もある。
スマホとも戦わないといけない。
まだ、終わりじゃない。
それでも、娘をここまで送り出すという意味で、
1つの大きな区切りが近づいている。
寂しさのジワリより先に来る言葉にできないこの感情。
やり切ったような。
燃え尽きたような。
それでもまだ落ち着かないような。
きっとこれが『親』なんだろうな。
子供が家を出る準備は、
荷物を詰めることだけではない。
母の心もまた少しずつ荷造りしているのかもしれない。
まだ実感はわかない。
でも現実は少しずつ前に進んでいく。
引っ越しまで1週間。
娘は相変わらずゴロゴロしている。
私だけが落ち着かない。
でも、この慌ただしい時間も
いつか愛おしい時間になるのだろう。
今は、この時間を大切に過ごしていこうと思った。
まだ実感はわかないままだけど、現実はどんどん動き始めていて。
そんな中での家探しの話はこちらに書いています。
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